『漢末水滸伝』第1回・第2回

以下のURLにPDFを載せています。 http://3guozhi.jp/o/kmskd.pdf 試し読みのような感じで掲載です。 洪太尉(梁冀)が封印を解き、 高俅(張譲)が出世のきっかけをつかむまで。 感想とかアドバイスを頂けると幸いです。 「こんな話なら読んでもいい、読みた…

68~81回、梁山泊の完成、官軍戦

第68~71回 袁術が代行し、集団が完成 第68回、袁紹の「死」に報復しなければならない。 袁紹・袁術とは独立した、後漢を改革しようとする勢力との対決をさせたい。袁紹の価値観を揺さぶり、袁術を逃げ腰にするような。もともと『水滸戯』では、晁蓋は祝家荘…

58~67回、袁術・曹操・董卓

三国志と『水滸伝』が融合した話をつくる計画という遊びをしています。『水滸伝』の駒田信二訳を見ながら、漢末・三国に比定していく作業をします。『漢末水滸伝』というタイトルを考えています。 時代背景の確認 180年、霊帝が庭を造園して、司徒の楊賜に諌…

51~57回、小衙内殺し、呼延灼の戦い

第51回 関羽と徐晃の出奔 話は変わって(話を載せる順序は要検討)河東郡では、雷横=徐晃が女芸人とトラブルを起こして、女芸人を殺してしまう。同僚の関羽が身柄を預かった。徐晃の行動に(なんやかんやで)義を見出した関羽は、長官には無断で、徐晃を逃…

42~50回、みなの帰郷、祝家荘の戦い

劉備・張飛・張魯が、故郷を往復 ここから42回。劉備は、いよいよ自分の行動が「賊」であるから、袁紹に頼みこんで、両親を袁紹のシェルターに入れてくれという。袁紹は、もちろんOKする。 ここで帰郷ラッシュが起こるのは、揚州であともどりできない行動を…

32~41回、花栄=黄忠、李逵=張飛、李俊=孫堅

三国志と『水滸伝』が融合した話をつくる計画という遊びをしています。『水滸伝』の駒田信二訳を見ながら、漢末・三国に比定していく作業をします。『漢末水滸伝』というタイトルを考えています。ふと気づきましたが、176年(この物語の開始の翌年)、閏5月…

13~22回、晁蓋=袁紹、宋江=劉備

袁紹の初期メンバーがそろう 孟他が張譲へのワイロを準備しているのはさておき。 『水滸伝』は13回の途中で、朱仝・雷横の目線にかわる。朱仝・雷横が、劉唐を捕らえて、それに晁蓋が結びつき……と、「本紀」の話が始まる。『漢末水滸伝』においては、ついに…

7~13回、林冲=呂布、楊志=馬騰

三国志と『水滸伝』が融合した話をつくる計画という遊びをしています。『水滸伝』の駒田信二訳を見ながら、漢末・三国に比定していく作業をします。『漢末水滸伝』というタイトルを考えています。 林冲=張奐という、ボツ案 霊帝が即位した168年、張奐は涼州…

魯智深=韓当、武松=程普が、南下する

第6回 韓当が公孫瓚と再会する 韓当が立ち寄った家では、痩せた人々に、「あなたに食べさせる飯はない」と断られる。現地の豪傑が、食糧を独占しているから。かまわず、韓当は、別室で炊けている飯を食ってしまう。現地の豪傑が、「オレの飯を食いやがったな…

1~5回より、幽州の出来事

三国志と『水滸伝』が融合した話をつくる計画という遊びをしています。『水滸伝』の駒田信二訳を見ながら、漢末・三国に比定していく作業をします。『漢末水滸伝』というタイトルを考えています。話の大筋としては、『水滸伝』晁蓋にあたる袁紹が、『水滸伝…

北方『楊令伝』要約と分析(巻2下)

225ページ~ 青蓮寺の李富と李師師が、方臘の領地を見物にいく。方臘は、後漢末の黄巾の乱・五斗米道に似ているというのが、青蓮寺の分析。宗教は、軍という組織をもっていない。手強いのは梁山泊のほうだと。 徽宗の花石綱には困ったものだなーとも、李富ら…

北方『楊令伝』要約と分析(巻2上)

15ページ~ 楊令「酒を飲もう」燕青「これ、水じゃん。ウソつくなよ。実物が水でも、それを酒だとでも思わなければ、幻王の殺戮稼業なんて、やってられんのだろうね」楊令「本当は野望でも、それを志だと思いこむのと同じっす」 という禅問答から始まる。楊…

北方『楊令伝』要約と分析(巻1下)

236ページ~ 王定六は、なき秦明の妻子(公淑と秦容)を、面倒をみながら送り届けている。公淑は、子供が死んで発狂したところ、宋江に惚れられ、おさない楊令の面倒をみて、秦明に惚れられて……という、北方大水滸の重要なオリジナルキャラ。移動の果てに、…

北方『楊令伝』要約と分析(巻1上)

どの巻も、だいたい390ページなので、200ページまでを「上」、それ以降を「下」と便宜的に分けて、要約と分析をします。 長すぎて、『楊令伝』を読んでいない、というひとが、たまたまこのブログにたどりつき、この記事を見たとしても、読んだ気になれ…

『楊令伝』第9巻の前半まで読了

楊令が童貫を斬りました。 先週の土曜の昼に『北方水滸伝』を読み終わり、『楊令伝』に移行。さきほど、9巻の途中(童貫の死)まで読み終わりました。 北方氏は、『水滸伝』・『楊令伝』・『岳飛伝』という三部作をもって、「大水滸」というシリーズとされ…

史進≒趙雲、晁蓋≒袁紹、盧俊義≒袁術

『漢末水滸伝』を書こうとしています。『水滸伝』を解体して、時代を後漢末にした「翻案」小説 です。 高島俊男氏が「翻案」という言葉を、それぞれの論者がろくに定義せずに使うから、ワケが分からん、と書いてました。ひとによっては、「作者が『水滸伝』…

北方水滸伝 全19巻を読了

やっと読みました。『北方水滸伝』。 8巻の途中までは読んでましたが、祝家荘の戦いのあたりで、やや飽きがきて、放置しておりました。再開したら早いもので、1日に1冊以上のペースで読み進め、再開してから1週間とかからずに19巻まで読み終わりました…

水滸伝の話を三国志に置換02

◆晁蓋=袁紹とする 『水滸伝』は、梁中書が楊志をつかう。 『三国志』に置き換えるなら、梁中書=段熲、楊志=馬騰 にしたい。 段熲は、西方で功績がある一方で、中央の宦官と結びついた。張譲にワイロを送ってもおかしくない。これは、高俅にワイロをおくっ…

水滸伝の話を三国志に置換01

後漢末を舞台として、『水滸伝』のストーリーを展開させる、『漢末水滸伝』という物語をつくろうと考えています。『水滸伝』をどのようにアレンジするか、そのアイディアを書いていきます。 これで、だいたいの道筋が見えてこれば、あとは書きながら考えれば…

近世、三国演義より水滸伝が人気

高島俊男『水滸伝と日本人』を読みました。『水滸伝と日本人』をに匹敵する、『三国演義と日本人』が書かれるべきだなあと思います。 雑喉潤 『三国志と日本人』では、まだ足りない。 ぼくが関東圏に住んでて、主要な図書館に出入りできる立場だったら、書き…

標注訓訳水滸傳

国会図書館の近代デジタルライブラリーで見られます 平岡龍城の『標注訓訳水滸伝』近世漢文学会 近代デジタルライブラリー - 水滸伝 : 標註訓訳. 1 京大図書館のサイトのほうが、色が明るくて見やすいかも [ 谷村 ] 標註訓訳水滸伝

白話小説を訓読するのがムリでも

この週末は、勉誠出版の『「訓読」論』『続「訓読論』を読んでました。興味ぶかい(なんて評するのも、おこまがしい)論点がいっぱいでした。 市來津由彦氏の「漢文訓読の現象学―文言資料読解の現場から―」は、訓読するときに、ぼくらのアタマのなかが、どう…

白話小説を訓読する試み4

三箇 柴進の東荘を離れ、五・七里の路を行く。武松 別を作して曰く、「尊兄 遠くなり了んぬ*1。回〈かへ〉らんことを請ふ。柴大官人 必然 専望せん」 宋江曰く、「何ぞ再び幾歩を送るを妨げん」 路上 些の間話を説き、覚えず又 三・二里を過ぐ。武松 宋江を…

白話小説を訓読する試み3

数日を過ぎ、宋江 将に些の銀両を出して武松に与へ、衣裳を做さしめんとす。柴進 知り*1、いづくにか*2肯へて彼に壊銭せしめん*3、自ら一箱の緞匹・紬絹を取り出す。門下に自ら針工有り。便ち三人の体に称ふ衣裳を做〈つく〉らしむ。 *4柴進 何に因りて武松…

白話小説を訓読する試み2

ひとつまえの記事のつづきです。 宋江 大いに喜び、武松の*1手を攜〈たずさ〉へ*2、一同に後堂の席上に到り、便ち宋清をして*3武松と相ひ見えしむ。 柴進 便ち武松に邀〈むか〉ひて坐*4らしむ。 宋江 連忙〈しきり〉に彼*5に譲り、一同 上面に坐せしむ。武松…

白話小説を訓読する試み1

『水滸伝』第二十三回のはじめ、宋江と武松が、たまたま出会うところを題材にして、白話小説を擬似的に訓読するためのルールを、つくってみようと思います。試行錯誤の段階です。 どういう判断をしたのか、注釈をこまめに付けて、表示しております。 *1宋江 …

西洋近代の小説と『水滸伝』

西洋近代における小説というのは、 ひとりの作者がいて、創造性を発揮して、はじめから終わりまで責任をもって、書き上げるもの。ひとりの作者がいるのだから、文体は統一されている。ひとつの作品においては、まがりなりに一貫性のあるテーマ・キャラが設定…

祝家荘と曽頭市、晁蓋の取り扱い

佐竹靖彦『梁山泊』71ページより。 『水滸戯』において晁蓋は、祝家荘で3戦して死ぬ。ただし、祝家荘の戦いが、描写されているのではなく、説明のなかに、ちらっと出てくるだけ。 『水滸戯』は、すべてが個人プレイのエピソードであり、ただひとつ集団戦っ…

喜劇的悲劇の主人公 くろちび三郎

佐竹靖彦『梁山泊』を読んでます。 宋江は、『水滸伝』では得体の知れない、魅力に乏しい人物となっている。 しかし、『水滸戯』で登場のたびに自己紹介する宋江は、閻婆惜を殺して、灯火を蹴り倒して家事を起こし、徙刑にあったというだけの人物。これが宋…

武松の分裂病(悲華水滸伝)

武松のキャラ分裂は、『水滸伝』が抱える、やっかいな病気ですが。 杉本苑子『悲華水滸伝』は、武松を病気にすることで、これを解決します。 武松は、瘧〈おこり〉をもち、寒気や震えが止まらない。潘金蓮から言い寄られて、立ち去るべきときに、おこりにな…