創作について全般

白話小説を訓読する試み3

数日を過ぎ、宋江 将に些の銀両を出して武松に与へ、衣裳を做さしめんとす。柴進 知り*1、いづくにか*2肯へて彼に壊銭せしめん*3、自ら一箱の緞匹・紬絹を取り出す。門下に自ら針工有り。便ち三人の体に称ふ衣裳を做〈つく〉らしむ。 *4柴進 何に因りて武松…

白話小説を訓読する試み2

ひとつまえの記事のつづきです。 宋江 大いに喜び、武松の*1手を攜〈たずさ〉へ*2、一同に後堂の席上に到り、便ち宋清をして*3武松と相ひ見えしむ。 柴進 便ち武松に邀〈むか〉ひて坐*4らしむ。 宋江 連忙〈しきり〉に彼*5に譲り、一同 上面に坐せしむ。武松…

白話小説を訓読する試み1

『水滸伝』第二十三回のはじめ、宋江と武松が、たまたま出会うところを題材にして、白話小説を擬似的に訓読するためのルールを、つくってみようと思います。試行錯誤の段階です。 どういう判断をしたのか、注釈をこまめに付けて、表示しております。 *1宋江 …

西洋近代の小説と『水滸伝』

西洋近代における小説というのは、 ひとりの作者がいて、創造性を発揮して、はじめから終わりまで責任をもって、書き上げるもの。ひとりの作者がいるのだから、文体は統一されている。ひとつの作品においては、まがりなりに一貫性のあるテーマ・キャラが設定…

同人誌『水滸伝』の巻構成

◆『水滸伝』赤の巻、『水滸伝』青の巻 『水滸伝』の成立史にさかのぼって物語を解体し、再編成する。 ということを考えています。 たとえていうなら、赤い絵の具と、青い絵の具を、おなじバケツに垂らす。混ぜて完全に紫色になっていれば、それで絵をかけば…

ポケモン図鑑のような水滸伝

ポケモン図鑑は、目撃すると名前が登録され、仲間にすると詳細が表示され、やがて進化する。 三国志パズル大戦は、覚醒させる。これも、まあ進化みたいなもの。 ぼくの『水滸伝』は、章末とかに、図鑑というか、獲得したカード一覧のように、登場人物を並べ…

ページ数の皮算用

タイトルは、「いつか書きたい」と銘打っていますが、おそらく、2015年のうちに書き終えます。というか、あくまで文章修行なのだから、駆け抜けるように書き終わらないと、じぶんが飽きてしまう。興味の中心は、やはり『三国志』なので。 印刷レイアウトを決…

『水滸伝』を語り直したい

はじめ、馬超の話を考えた 『水滸伝』は、はじめから「書きたい」とまでは、思わなかった。馬超の話にひきつけて、同人誌用に、原稿用紙500枚くらいの話を書こうと思ったのが、始まりでした。 『水滸伝』がもってる物語のおもしろさを(レヴィストロースの神…

『水滸伝』はじめます

ほったん 2015年1月末の三国志フェスで、三国志に関する同人誌、『曹丕八十歳』を販売しました。そのとき、「水滸伝は、やらないんですか?」と聞かれました。 そういえば、三国志の勉強会をしたときも、水滸伝が好きなひとが、集まっていたような気がする。…