第44~47回 石秀列伝(付 病関索)

戴宗が薊州に、公孫勝を迎えにいくとき、たまたま石秀・楊雄(病関索)に知り合う。ここから、晁蓋宋江がしばらく出てこない。列伝に入ったのだと知らずに読むと、イライラするので、これは切り出そう。
「武十回」以来の、分岐です。時系列としては、戴宗のお使いとの整合性をとる必要がない。「祝家荘との戦いより前」であれば、いつでもいい。

ここから【石秀列伝】

◆第四十四回

楊雄(というと、楊志と紛らわしいから、ずっと病関索と呼べばいい)は、羊殺しさんと(祝儀を奪われて)トラブルを起こしていると、石秀に助けられる。
 ※武十回につなぐから、武松が通りがかってもらおう
  原典では、戴宗と楊林が通りがかるが、必然性がない

石秀は、血縁者が死んだので、流れている。
助けられた病関索は、石秀と義兄弟の関係をむすぶ。
関索の妻の実家は肉屋だが、いま店をやる人がいない。
石秀が住みこんで、肉屋を務めることになった。

◆第四十五回

関索の妻が、僧侶とのあいだで浮気する。
関索は、牢番だから、あまり家に帰らないためである。
石秀はそれを見抜き、病関索に教えてやる。
関索は、酔った勢いで、妻に詰めよるが、逆に妻に論破される。

石秀が、僧侶を殺して、病関索の顔を立てる。

◆第四十六回

関索は、妻を、ひとけのない翠屏山に連れてゆく。
石秀が現れて、病関索の妻に自白させ、その場で殺す。

石秀と病関索が出奔するとき、盗人の時遷をともなう。

道中、時遷が店の鶏を盗んだので、祝家荘の店に火をつける。
祝家荘の恨みを買って、時遷が捕らわれる。

◆第四十七回

石秀らは、李応のいる李家荘に誘われる
(病関索の旧知である杜興に誘われるが、杜興の名はイラネ)

祝家荘・扈家荘・李家荘という3つの紹介は、いらない
 ※祝家荘だけを強調。扈家荘は扈三娘の実家というだけ。
李家荘は、李応という大人物を出せばおしまい。

李応が、祝家荘に「時遷を放せ」と取りなすが、祝氏が無視。
お願いにいった李応は、祝氏に射られて面目をつぶす。

石秀は、梁山泊に力を借りて、祝氏と張りあおうとする。
晁蓋は、「石秀・時遷が悪いから、梁山泊は味方しない」という。
宋江呉用は、「祝家荘を潰す口実になる」と、やる気をだす。
 ※石秀と梁山泊の接点は、これが初めてのほうがリアル

 

そして物語は、本紀に合流していくと。
梁山泊から見れば、なんの縁もゆかりもなく、いきなり石秀が飛びこんでくる。戴宗との接点もない人が、、という感じだろう。そして、宋江晁蓋が、初めて対立する。本紀は、公孫勝李逵の里帰りのあと、しばらくして石秀がやってきた、というふうに繋がる。