第57~60回 智深の合流・晁蓋の死
本紀と列伝が、派手に合体する、ダイナミックな回。
晁蓋が死ぬことで、梁山泊の集団としての性質が転換する。晁蓋は、良くも悪くも純粋な反乱集団だった。しかしトップがいなくなり、いきなり宋江が求心力を発揮するでもなく、迷走する。
◆第五十七回
梁山泊に敗れた呼延灼は、青州の慕容氏を頼る。
とちゅうで馬を盗まれる。
盗んだのは、李忠・周通という、魯智深の旧知。
※魯智深と梁山泊を結ぶための強引な展開だが、
おもしろくするためには、「凡人」李忠にキャラを付けよう
いや、魯智深が、呼延灼の馬をかっぱらえばいいのか
青州軍が、李忠に向かう。李忠は、魯智深・武松を頼る。
魯智深らも、青州軍に勝てるはずがない。困った!
※柴進列伝のついでに、書いてもいいかも
もしくは李忠伝を立てるか。列伝視点からみた青州戦?
◆第五十八回
魯智深らが梁山泊に合流して、青州軍を破る
※孔明の話が出てくるので、うまく絡ませる
勝った直後、魯智深が、史進に会いに行くという。
宋江は怪しんで、戴宗に見晴らせる。
※青州軍を倒すために、一時的に団結したが、
魯智深たちが、梁山泊に心服したのでない
史進は、捕らわれて受難してる
こちらは列伝の視点なので、李忠も同行するか
◆第五十九回
魯智深は、独力では史進を救えないので、梁山泊を頼る。
※このへんは列伝の視点はいらんのか。李忠伝も不要だな
宋江から見たら、心服したかどうか怪しい奴ら、という、
本紀からの目線だけでいい
梁山泊は、太尉の宿元景をおどして、史進を救う。
※宋江と、宿元景の人脈?期待?勘違いを、原典より詳しく
◆第六十回
曽家将という、晁蓋を殺すプロジェクトが起動
晁蓋が、あっさり殺される
この回の最後に、河北の盧俊義の名が出る
※盧俊義列伝は、柴進集団が解散したところから始まる
牢に差し入れでもして、終わりになる
◆晁蓋の死の物語的な位置づけ
梁山泊集団は、晁蓋をトップにした盗賊の集団。力関係だけで動く。梁山泊から見たら、魯智深は「他の山の勢力」であり、へんな同調圧力はない。お互いに利益になる範囲で助けあう、というレベル。史進を救う魯智深を、梁山泊がさらに救うというのは、晁蓋にとっては余計なこと。
宋江は、李逵という暴徒に護衛されながら、呉用に「都合のいい君主。理想を実現させてくれる手駒」として扱われ、集団のなかで力を得てゆく。
晁蓋の権力の源泉は、いっしょに生辰綱をやったメンバー。しかし、公孫勝は非協力的だし、呉用は宋江に傾くし、いいところがない。曽家荘への突撃は、こういう権力バランスの転換点のなかで発生した事故では。
宋江は、呉用に導かれて、組織の拡大に熱心。たまたま襲った宿太尉と話し込んで中央への意欲を見せたり、魯智深を積極的に取りこもうとしたり。
しかし、宋江の企みが実を結ぶ前に、晁蓋が死ぬ。宋江は、あくまで晁蓋集団のなかにいるから、こういう企みに着手できていた。
宋江が主導権を握るには、英雄としての格が上の、魯智深・武松・史進・柴進らを味方につけること。彼らを従わせるには、柴進の背後にいた盧俊義を、トップに担ぐべきだと、なにかのきっかけ(謀略にしたい)で知る。
きっと、柴進に、トップになるように打診があるが、辞退されてしまうのだろう。柴進は、オモテに出て、ぐいぐい引っぱるタイプの人ではなさそう。もし柴進がトップになれば、周宋革命の否定である。宋江は、ちらっとそれを望むが、(呉用にとって都合が悪いから)呉用に阻まれるとか?
盧俊義は、物語のなかで、ポッと出の印象であるが、じつは、列伝系(原典で生辰綱が始まるまでの主人公たち)から慕われる存在であったと。