2015-04-03から1日間の記事一覧

中国歴史小説の「和臭」

日本人が漢文を書くと、母国語話者(というより、母国語筆者)でないため、日本語風に文法をまちがえたり、日本語風の語彙を交ぜてしまったりする。 そういうのを「和臭がする」といって、前近代には、教養ある人々のなかで批判された。近代になったら、どう…

柴進と「二王の後」

宮崎市定『水滸伝・虚構のなかの史実』によれば、柴進が、周の天子の末裔というのは、『水滸伝』の編者がいいだしたことで、「宋江三十六人」、『宣和遺事』には、そういう記述がないと。もともと、名簿に連なっていた柴進が、「柴」姓であることから、連想…

杉本苑子『悲華水滸伝』

杉本苑子『悲華水滸伝』を読んでます。吉川英治の弟子だという、どこかのネットの記事を見て、興味を持ちました。 いちばんの驚きは、始まりが、林冲と柴進の出会いであること。 原典では、第9回にあたる。 それ以前の、たとえば洪信が伏魔之殿をあけるのは…