2015-04-09から1日間の記事一覧

西洋近代の小説と『水滸伝』

西洋近代における小説というのは、 ひとりの作者がいて、創造性を発揮して、はじめから終わりまで責任をもって、書き上げるもの。ひとりの作者がいるのだから、文体は統一されている。ひとつの作品においては、まがりなりに一貫性のあるテーマ・キャラが設定…

祝家荘と曽頭市、晁蓋の取り扱い

佐竹靖彦『梁山泊』71ページより。 『水滸戯』において晁蓋は、祝家荘で3戦して死ぬ。ただし、祝家荘の戦いが、描写されているのではなく、説明のなかに、ちらっと出てくるだけ。 『水滸戯』は、すべてが個人プレイのエピソードであり、ただひとつ集団戦っ…

喜劇的悲劇の主人公 くろちび三郎

佐竹靖彦『梁山泊』を読んでます。 宋江は、『水滸伝』では得体の知れない、魅力に乏しい人物となっている。 しかし、『水滸戯』で登場のたびに自己紹介する宋江は、閻婆惜を殺して、灯火を蹴り倒して家事を起こし、徙刑にあったというだけの人物。これが宋…