2015-03-22から1日間の記事一覧

白話小説を、擬似的に訓読したい

なんとなく、企てていること。 高島俊男『水滸伝と日本人』に、詳しく紹介されていますが、江戸時代には水滸伝を読むため、従来の「訓読」では対応しきれない語彙を解説した、唐話の辞書が作られた。これを受け継ぎ、ぼくは、『水滸伝』や『三国演義』を訓読…

宋江が招安されて節度使となる

◆宋江が梁山泊に入る 宋江 、朱同・雷横を帯領し、李逵・戴宗・李海ら九人を並はせ、直ちに梁山泊上に奔る。かの哥哥たる晁蓋を尋ぬ。梁山泊に到る時分に及び、晁蓋 已に死せり。 又 次人の呉加亮・李進義の両人を以て、落草したる強人の首領と做す。宋江の…

宋江が36人の名簿を授かる

◆晁蓋の手紙を、閻婆惜が預かる 一日、〈晁蓋は〉宋押司の相ひ救ひたる恩義を思念し、密かに劉唐をして帯釵の一対もて、宋江に酬謝す。宋江 金釵に接し、合せず〈不覚にも〉かの娼妓たる閻婆惜に收めしむ。奈んぞ機事の密ならざる。閻婆惜 来歴を知る。 一日…

晁蓋が生辰綱を奪って梁山泊へ

◆馬県尉が、生辰綱を運ぶ 是の年、宣和二年五月、北京留守たる梁師宝 十萬貫の金珠・珍宝・奇巧の段物もて、県尉の馬安国を差はし、担奔して京師に至らしめ、六月初一日に蔡太師の上寿と為す有り。其の馬県尉 、五花営の堤上の田地に行到す。路傍を見るに、…

楊志が花石綱で、孫立を待つ

『宣和遺事』のうち、『水滸伝』に関係ありそうなところを訓読。テキストは 大宋宣和遺事 - 開放文學 からひろっています。 平凡社の中国古典文学全集を参考にしています。 ◆宦官の童貫が、大臣を兼ねる 宣和四年、春正月、梁師成に開府を加ふ。自来、内侍の…

「江湖」というキーワード

岡崎由美『中国武侠小説への道_漂白のヒーロー』の3章に、『水滸伝』の話が出てきます。「江湖」というキーワードから、『水滸伝』が分析されてます。 ◆「江湖」の用例と特徴 中国の書物に古くからある「江湖」は、日本語では「世間」と訳される。長江・洞…

李逵と泰山、晁蓋と宋王朝の関係

大塚秀高「『水滸伝』を読む」(中国の英雄豪傑を読む_あじあブックス)より、気になった話を、言い換えながら抜粋します。 ◆『宣和遺事』 1.汴京の艮岳を飾るため、花石綱を運ぶとき、12人のうちの1人の楊志が、刀を売ろうとして人を殺して、流刑とな…